風土を旅する

人に命に優しい徳之島

2021年世界自然遺産に登録された徳之島。もちろんその自然自体も貴重ですが、徳之島の一番の魅力は人も含む命あるものに対して向けられている優しさではないかと思います。
身近にある生き物や自然を大切に慈しむーーそんな風土が徳之島にはあります。

命を育む島

徳之島は長寿の島として知られています。ギネスブックに長寿世界一と記録された方も徳之島出身でした。それに出生率も全国でトップクラスです。島では子どもは宝とされ、家族だけでなく集落ぐるみで大切に見守って育てるという文化が根付いています。
大切に育まれるのは人だけではありません。サトウキビやじゃがいもといった農業、肉用牛の畜産が島の主な産業です。最近ではコーヒーの栽培が盛んになってきており、大手飲料メーカーとともに国産珈琲の本格販売を目指す取り組みが進んでいます。

生き物との”近さ”

世界遺産に同時登録された奄美大島同様、徳之島も固有種や貴重な生き物が身近に住んでいます。代表的なのはアマミノクロウサギですが、それだけではありません。徳之島北部金見集落は国の天然記念物に指定されているオカヤドカリの一大生息地で、産卵期には集落を横切って海岸へ大集合する様子が見られます。金見集落の海岸はウミガメの産卵地でもあり、卵がふ化するまで集落の方々が目印をつけ大切に見守っています。
冬の1~3月、徳之島周辺の海にはザトウクジラが回遊してきます。子育てをする親子連れの姿が見られることが多く、陸地からでもその姿を目にすることができます。

牛は島の”なくさみ”

生き物の中でも牛は徳之島の人にとって特別な意味を持ってきました。徳之島には闘牛の文化があり、”なくさみ”と呼ばれます。”なくさみ”の語源は慰めるです。島ではサトウキビや米の収穫が終わった農閑期、集落ごとに農家の人々が集まり闘牛や踊りを楽しんで疲れを癒す習慣がありました。闘牛はこうした仲間と労をねぎらいあう場に起源を持つ大切な行事なのです。
島内では年間に大小20回程度の大会が開催されています。その最高タイトルである「全島一横綱」を獲得することは、牛主さんのこの上ない名誉です。牛主さんたちにとって闘牛は家族同然の存在で、心を込めて飼育しています。夕方には一緒に散歩する姿を見かけることもありますし、大きな試合直前には泊まりこみで世話をする牛主さんもいるほどです。

命に優しい島

子どももご長寿の方も多いこと。農業や畜産がさかんであること。時には家族のように生き物が守り育まれていること。そのどれもが、身近な命あるものを慈しみ大切にケアするという徳之島の気風のあらわれではないでしょうか。
そんな島で命への優しさに包まれ、ふっと一息つく時を過ごしませんか?

人に命に優しい徳之島 行程例

1日目 各地発→徳之島到着
送迎にて下久志集落到着・チェックイン
下久志集落内を散策

下久志内宿泊先へ移動(泊)
2日目 海岸でビーチコーミング

朝食後、eバイクで金見崎方面へ。島の”生き物とともにある暮らし”を体感。

■金見集落■在住の方のガイドで集落歩き。有名なソテツトンネルの来歴や神様を祀ったスポットの解説を聞きながら、集落の暮らしぶりに触れます。オカヤドカリやウミガメの産卵地など貴重な自然を、集落の方々がどう守っているかもうかがえます。

■昼食■ 金見集落のジビエカフェとうぐらでランチ

■花徳■徳之島の方の誇りでもある闘牛の牛主さんのもとを訪ね、お話しを伺いながら実際にお世話を体験。牛主さんにとって、また徳之島にとって牛がいかに大切な存在か実感できます。

1泊目と同じ宿泊先へ(泊)
3日目 朝食後、レンタカーにて徳之島南部へ。島の人と人の交わりに触れます。
※レンタカーにかわりeバイクでの移動・体験も可能です。(体力に自信のある方)

■阿権集落■地元出身・お住まいの平さんに集落を案内してもらいます。サンゴ石垣の道や樹齢300年にもなるガジュマルの下を通りながら伺えるのは、集落の成り立ちなど歴史的なお話しから、ご近所での親戚づきあいや地元小学校での地域学習の様子など、住んでいるからこそ見える土地の景色。阿権集落の方々がどんなつながりの中で日々暮らしているのか、その一端に触れることができます。散策後は平さんの手になる地元の伝統的なおもてなし”ふり茶”もいただけます。

■昼食■おうちカフェ島じかんでランチ

レンタカーにてご移動、空港・港へ
※eバイクの場合下久志集落帰還後、送迎で空港・港へ

徳之島発→各地へ

現地ガイド・eバイクガイド

福本慶太さん

徳之島出身、下久志集落在住。中学卒業後、高校進学を機に徳之島を離れ福岡へ。2019年鹿児島大学を卒業後、「徳之島町地域おこし協力隊」「徳之島シマコーディネーター」として「感幸」「Life×Trip」というコンセプトの元徳之島の未来を創る活動を行っている。
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